概要


オープンイノベーション実践教育プログラム

山口大学では、高度な専門職業人の育成や専門教育機能の充実を図るため、平成22年度より大学院教育課程において新しく「オープンイノベーション実践教育プログラム」を始めました。

事業名

オープンイノベーションを駆動する科学技術系人材の育成

-オープンワークスペースを核としたアクションラーニングの展開-

事業実施主体

理工学研究科、医学系研究科、技術経営研究科、産学公連携・イノベーション推進機構

目的

理工学、医学系、技術経営3研究科及び産学公連携・イノベーション推進機構が連携して、新たに設立する[イノベーション実践教育センター](平成22年3月30日準備室開設)が教育拠点となり、オープンイノベーションを駆動する人材育成教育プログラムを開発し展開することが本事業の目的である。このために必要な教育プログラムの開発、高度実習に要する機器の充実・集中化および教育体制の整備を図る。

これによって、多様なバックグランドの人材および企業との協調的活動を通じて、自身の専門知識・能力を最大限活用することによりオープンイノベーションを駆動できる人材の育成を行う。

取組内容

開発・体系化する教育プログラムは、[専門技術教育プログラム]と[イノベーションマネジメント教育プログラム]からなる。

『専門技術教育プログラム』は大学院の「①真空工学技術教育プログラム」、「②セキュリティ技術教育プログラム」、「③組込み系技術教育プログラム」、「④環境・エネルギー技術教育プログラム」、「⑤生体情報利用技術教育プログラム」および「⑥解析主導設計」である。これらは山口大学の強い専門分野である。

一方の『イノベーションマネジメント教育プログラム』は「①MOT概論」、「②ものづくり創成学」、「③高度ものづくり創成演習」からなる。すなわち、現代的なイノベーションモデル(第5世代イノベーションモデル)を前提とすれば、上述のような先端的専門知識の習得に加え、それらを融合させるためのマネジメント能力が不可欠である。またそうした知識の融合を、産官学の協調的活動の枠組みで柔軟かつ実務的なスピード感覚で実践できる能力を涵養することがオープンイノベーションを駆動する人材には求められる。このために、学生はコースの基盤科目である「①MOT概論」と「②ものづくり創成学」を履修の後、シニアマネージャーが統括する先端的な機器と技術職員が配置されたオープンワークスペースで、プロジェクトベースのアクションラーニングである「③高度ものづくり創成演習」に年1回参画する。そこでは、産学公連携・イノベーション推進機構などからもたらされる企業が提案した商品開発実課題を、種々の専門分野の人が世代、業種、産学官の壁を越えて議論・実践学習する。これによって、多様なバックグランドの人材および企業との協調的活動を通じて、自身の専門知識・能力を最大限活用することによりオープンイノベーションを駆動できる人材の育成を行う。


事業の全体イメージ図


高度ものづくり創成演習

『イノベーションマネジメント教育プログラム』の核となる「③高度ものづくり創成演習」ではプロジェクトベースのアクションラーニングを修士1年次及び2年次の2回実施する。プロジェクトには、イノベーション実践教育センターのシニアマネージャーの統括の下、企業人、学内外教員・研究者等と理系大学院学生が協働しながらオープンな場で実課題を解決する。これにより、専門分野、世代、職種を超えた議論、実践教育が可能となり、現代的な枠組みでのイノベーション創出力を養うことができる。いわばこれは「①MOT概論」と「②ものづくり創成学」とともに『専門技術教育プログラム』を貫く“横断型”の教育カリキュラムである。これにより、現代のイノベーションモデルに基づくものづくりや技術のマネジメントに必要な力を身につけ、科学技術系人材としてオープンイノベーションを駆動することができるようになる。




スケジュール

本事業は、平成22年から3年間のプロジェクトである。初年度は「真空工学技術教育プログラム」が本格実施された。他のプログラムは、順次教材開発、試行を経て本格実施に移行します。




認定条件

このオープンイノベーション実践教育プログラムを受講し、所定の単位を修得した者には、博士前期課程修了者に授与される学位記のほかに、「イノベーション実践教育プログラム修了証」を授与する。 平成22年度から本格実施している「真空工学技術教育プログラム」においては、専門教育プログラム(3教科、6単位)および「イノベーションマネージメント教育プログラム」として5教科、10単位「MOT概論(企業戦略と財務)(2単位)、ものづくり創成学(研究開発戦略)(2単位)、テクノロジーマーケティング(2単位)」および「高度ものづくり創成演習Ⅰ・Ⅱ(4単位)」を修得しなければならない。したがって、特別研究(修士論文)や専攻系科目等と合わせて34単位以上を修得する必要がある。